ふわふわ、しっとりのスポンジ生地でクリーミーな生クリームをくるくるっと巻いたスポンジケーキは、コンビニスイーツのヒットもあり、長年人気が継続しています。
旬のフルーツを巻いてカットすれば、SNS映えもばっちりですね。
「おうち時間でお店のようなロールケーキを作ってみたいと思って生地を焼いてみたけど、うまく膨らまない。」
ロールケーキの生地は簡単そうに見えて、スポンジケーキとは少し違ったコツが必要です。
ロールケーキが膨らまない時の対処法やアレンジ方法、失敗しないコツをご紹介します。
ロールケーキが膨らまない!対処法やアレンジ方法
ロールケーキの生地が膨らまない原因はいくつか考えられます。
原因①卵がしっかり泡立っていない
原因②粉やバターを混ぜ合わせる時に混ぜすぎている
原因③生地を薄くのばすときに時間がかかりすぎている
原因④オーブンの温度が高すぎる、もしくは低すぎる
原因⑤オーブンから出したときにそのまま放置した
それぞれの原因を順番に見ていきましょう。
原因①卵がしっかり泡立っていない
ロールケーキのような卵を泡立てて作るタイプのスポンジケーキはベーキングパウダーなどの膨張剤を使わないことが多いです。
卵を高速で泡立てることで気泡を作り、焼くことで気泡の中の水蒸気が膨らんで生地を持ち上げます。
つまり、ロールケーキの生地を膨らませるためにはしっかりとした気泡をたくさん作る必要があるのです。
対処法として、手動で泡立てるよりも馬力のあるハンドミキサーなどを使いましょう。
一定のリズムで早く泡立てることができるので、手動で泡立てるよりも気泡ができやすいです。
また、泡立てる前に卵に砂糖を混ぜてゆせんで人肌程度に温めるのもおすすめです。
温めることで卵白の表面張力が緩み、泡立ちやすくなります。
原因②粉やバターを混ぜ合わせる時に混ぜすぎている
ロールケーキの生地を作る工程の最後に、小麦粉、バターの順で混ぜますが、このとき必要以上に混ぜてしまうことがよくあります。
よく、お菓子作りのレシピに「さっくり混ぜる」と書いてありますよね。
この「さっくり」という言葉は、お菓子作りに慣れている人であれば感覚で分かりますが、そうでない人にとっては難しいと思います。
でも、この「さっくり混ぜる」ことが、ロールケーキの生地作りで大事になってきます。
第一段階で卵を泡立てて、しっかりした気泡を作りますが、ここに薄力粉やバターを入れることで、気泡は必ず消えてしまします。
大事なのは最大限に気泡を残しつつ、薄力粉やバターが均一にいきわたるように混ぜることです。
コツはゴムベラでボウルの底から生地をひっくり返すように混ぜながら、薄力粉が見えなくなるまで混ぜます。
次に熱くしたバターを加え、同じようにボウルの底から混ぜ合わせます。
混ぜ合わせているとだんだん生地にツヤが出てきます。
気泡がなくなってきた合図ですので、ツヤが出てきたらそこからはあまり混ぜすぎないようにしましょう。
ゴムベラで生地を垂らすと、リボンのように跡がついてしばらく残っているくらいの硬さがいい生地の目安です。
原因③生地を薄くのばすときに時間がかかりすぎている
卵もしっかり泡立って、薄力粉やバターもいい感じで混ぜることができても、生地を鉄板にのばす段階で失敗してしまう場合があります。
ロールケーキはクリームを巻くためにシート状の生地を焼き上げる必要があります。
出来上がった生地をパレットナイフやカードと呼ばれる道具で鉄板にのばすのですが、慣れていないと時間がかかり、何度も生地を触ってしまい、せっかくできた気泡を潰してしまうのです。
対処法としては、とにかく時間をかけないことです。
最初の方はある程度伸ばせたらOKとしましょう。
生地を平らに伸ばせたとしても、時間がかかって気泡がつぶれてしまっては意味がありません。
原因④オーブンの温度が高すぎる、もしくは低すぎる
ロールケーキの生地は薄いので、オーブンの温度が高すぎると、早く焼けすぎてフワフワの生地になりません。
また、低すぎると長時間焼かなくてはならず、生地の水分が必要以上に蒸発してしまい、硬い生地になってしまいます。
ロールケーキの生地は高めの温度であまり時間をかけずに焼くのが基本です。
焼けたときに生地の四隅にしわのようなものができていたらオーブンの温度が少し高いかもしれません。
また、レシピの時間通りだけど焼けないというときは、5~10℃ほど温度を上げてみましょう。
お使いのオーブンによって違いますので、レシピ通りの温度や時間で焼けなくても、諦めずに再チャレンジしてほしいです。
原因⑤オーブンから出したときにそのまま放置した
ロールケーキの生地をオーブンから出したら、すぐに10センチほど上から台の上に落としましょう。
このようにして生地にショックを与えることで生地の中にたまった水蒸気が抜けて、焼き縮みを抑えることができます。
ショックを与えた後はクッキングシートごとすぐに網などの上に移して冷まします。
しばらく鉄板のままにしておくと余熱で生地が焼けすぎてしまうからです。
いろいろ試したけど膨らまなかった。
そんな時は、その生地をアレンジしてみてはいかがでしょうか?
膨らまなかったロールケーキのリメイク方法
アレンジ①トライフルにする
トライフルとは「余りもの」という意味のイギリス発祥のデザートで、器の中でスポンジ生地や生クリーム、フルーツを重ねたものです。
ガラスの器で作れば層が見えておしゃれですね。
作り方は簡単です。
①膨らまなかったロールケーキは器に入る大きさに切ります。
②生クリームやフルーツを順番に重ねていき、冷蔵庫で冷やせば完成!
見た目もかわいく、簡単で美味しい。
失敗した生地で作ったとは誰も思いません。
アレンジ②ラスクにする
さくさくして食べ出したら止まらないラスク。
失敗したロールケーキの生地で簡単にできてしまいます。
こちらも作り方は簡単です。
ロールケーキの生地をお好みの大きさにカットする。
150℃のオーブンで15分ほど乾燥焼きにする。
お好みでグラニュー糖やシナモンをかけても美味しいです。
油で揚げなくていいのもいいですね。
ロールケーキの生地の失敗しないコツ
さて、ロールケーキの生地が膨らまない原因は分かりましたか?
ロールケーキの生地を失敗しないコツは次の通りです。
①卵に砂糖を加え、ゆせんで人肌くらいの温度に温めてから、ハンドミキサーでしっかりと泡立てる。
②粉やバターを入れたら混ぜすぎない!できるだけ最小限の回数で混ぜるようにする。
③鉄板に生地をのばすときは手早く、生地を触りすぎないこと。
④オーブンの設定温度は高すぎても低すぎてもダメ。
お使いのオーブンの適温を見極める。
⑤オーブンから生地を出したら10㎝上から落としてショックを与える。
こうすることで生地内の水蒸気が抜けてしぼむのを防止できる。
以上の5点に注意して、厚みのあるフワフワのロールケーキの生地を目指しましょう。
ロールケーキ巻き方のこつ
いい生地が焼けたら、いよいよ仕上げですね。
ロールケーキを作るときに楽しいのは、最後の巻く作業ではないでしょうか。
ここで失敗したくないですよね。
ロールケーキの生地に生クリームを均一に塗ったら、手前の生地を指で巻いてしっかりめにおさえて芯を作ります。
小さなロールケーキを作るイメージです。
次に、両手で手前の紙を持ち、芯を巻き込むように紙を自分とは反対方向に、斜め45度上に引っ張る感じで巻いていきます。
慣れていないうちは、ゆっくり確認しながら巻きましょうね。
最後に紙の端を強めに引っ張ってロールケーキが適度に締まるようにします。
ロールケーキの巻き終わりを下にして、乾燥しないように両端にラップなどをかけ、冷蔵庫で1時間ほど冷やします。
こうすることで切りやすくなるだけでなく、生地とクリームがなじんで美味しくなりますよ。
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まとめ
ロールケーキが膨らまない時の対処法は、卵をしっかり泡立てる、薄力粉やバターの混ぜ方に気を付ける、生地をのばすときに時間をかけすぎない、
オーブンの温度に注意し、焼けたらショックを与えるなどいくつもポイントがあることが分かりました。
また、膨らまなかったロールケーキの生地はトライフルやラスクなどにアレンジしても美味しく食べることができます。
失敗しないコツもいくつかあるので、それぞれのポイントを押さえることができれば、フワフワのロールケーキの生地が焼けると思います。
おうちでのお菓子作り、楽しんでくださいね。
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